【視覚障害】情報の伝え方に配慮して
視覚障害のある患者に対する声かけのポイントを紹介します。相手の状態に応じて臨機応変に対応していきましょう。
人によって状態は異なる
視覚障害と一口にいっても状態は様々です。「視力が低い」「光が眩しい」「色の判別が難しい」「視野が狭い」など、人によって異なるのでそれぞれに応じて声かけをしていく必要がありますよ。
いきなり話しかけるのはNG
いきなり話しかけないようにしてください。通常であれば、目で相手の存在を確認した後に声を聞きながら情報のやり取りをします。しかし、視覚障害がある患者は視覚的な情報を得られないため、突然声かけをするとビックリしてしまいます。例えば、暗闇で何の前触れもなく声をかけられたらビックリしますよね。場合によっては大きな混乱を招く可能性もあるので注意してください。まずは正面を向いて気配を感じ取ってもらい、自分を認識したと感じてからゆっくり話しかけるのがコツですよ。
具体的な表現を心がける
具体的な表現で分かりやすく伝えなければ混乱してしまいます。「あれ」「これ」「あそこ」「あっち」などの指差し表現や指示語はNGですよ。視覚障害がある患者に対し、このような表現をしても正確な情報は伝わりません。説明をする際は、「あなたの右側に」「あなたの足元に」「前方の2メートルほど離れた場所に」など、位置情報や数字を使って具体的に表現するように心がけてくださいね。また、会話中に席を外す際は黙ってその場から離れてはいけません。必ずその旨を伝えて、戻ってきた時にも声かけをしてください。
段階的に説明する
一度に多くの情報を伝えないようにしましょう。回りくどい表現もNGです。情報を伝える際はできるだけ短文で要点を押さえた表現にしてくださいね。例えば、患者が椅子に座る際は、「○○さん、椅子に座りましょう」「私が○○さんの右手を持ちます」「○○さん、今右手で触っているのが背もたれです」「今度は○○さんの左手を持ちますね」など、段階的に情報を伝えながら動作を進めていくことが大切ですよ。
視覚以外も活用する
視覚以外の感覚も活用してください。例えば、何かを相手にすすめる際に、説明しながらそれに触ってもらうことで情報が伝わりやすくなります。ただし、何かに触ってもらう時はそのことをきちんと説明してからにしてください。いきなり触れるとビックリしてしまいますからね。声の大きさや言葉遣いにも注意しましょう。優しいトーンで、ゆっくり丁寧に話しかけてください。嗅覚や聴覚なども、状況を把握するための情報として大きな効果を発揮しますよ。
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